ヒト型レスコンで優勝!

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ヒト型レスコンに出場しました。
正式名称は「OECU杯ヒト型レスキューロボットコンテスト2015」で大阪電気通信大学で毎年行われているイベントです。
昨年も出たいと思っていたのですがスケジュールの都合で出られず。
今回は参加という念願がかなった上、結果はなんと優勝でした!目視部門での1位と、OECU杯を頂きました。
副賞はQuadceptさんの基板作成CADの使用権(ものすごく高いらしい)と、ロボゼロコントローラーでした。ありがとうございます。
見せ所たっぷりの他の出場者に比べ、私のゼムネスは余裕がない感じのガチ構成で、いかにもロボワン系っぽい強引なクリア方法だったような気もしますが、内容はともかく優勝は優勝。見せる試合内容は次回以降でチャンスがあったらがんばりたいです。
搭載カメラ部門の優勝はゼノ先生。ついにロボワン優勝のゼノ先生に並んだぞ・・・
主催運営のみなさま協賛各社のみなさま参加者のみなさまありがとうございました&おつかれさまでした。
ちなみに東京以外のロボット大会への遠征というのもお初でした。
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細かい話はあとでエントリを分けて出場記として書かせていただこうと思いますが、
せっかくですので、ファミコン型コントローラーで出ることの意義についてちょっと書いてみたいと思います。
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操作がシンプル=思い通りに動かせる=ミスしにくい=楽しい
これらの要素は一体になっていて、同時に達成されるものだと思います。
操作のシンプルさは、ゲームや玩具では「思い通りに動かせる」ことにつながり、それがカタルシス感や面白さに直結します。
(ゲームやラジコンのように自分の身体と切り離された遠方のモノを思い通りに動かせるのがなぜ楽しいかと言えば、身体が拡張される特別な感覚を脳が本能的に感じているからだと個人的には思っています。)
一方、人命に関わるような医療ロボットやレスキューロボットでは、操作のシンプルさは「ミスしにくい」というメリットとして現れます。それがシリアスな要素であることは周知の通りです。
もし操作が複雑であれば、ミスを起こしやすくなるだけでなく、それだけ操作の熟練が必要になり、操作する人に負担がかかることにもなります。
道具の操作を複雑にすることは、社会的なコストを増大させることにつながります。
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ではなぜファミコン型のコントローラーなのか。
第一に、ファミコン世代〜現代のプレステ/DS世代に至るまで慣れ親しまれている点です。
だれもが操作免許をはじめから持っているようなもので、練習がほとんど必要ありません。
第二に、他のインターフェースに比べて、遠方のものを直感的に操作するのに向いている点です。
キーボードやタッチパネル、マウスなども使いやすいですが、十字キーほどではありません。
第三に、ノイズが少ない点です。
「ボタンを押した」「ボタンを押してない」という物理的でデジタルな判定方式は、ノイズを排除できる分、操作者の意思を正確に伝えることが出来ます。
押した長さで若干のアナログ的な要素を加味することもできます。
第四に、ボタンが少ない点です。
ボタンが少ないことのメリットは2つあり、
操作を覚える量が少なくて済み、なおかつとっさのときにまごつかずにボタンを押すことができます。
省ボタンにコマンドを詰め込むには工夫が必要ですが、パズル的な楽しさもあります。(この点はちょっとマニアックです。)
第五に、具体例の充実さです。
ファミコンには1000タイトル以上のソフトが発売され、あらゆるタイプのコントローラーの使用方法が商用ベースで研究され尽くされています。しかもファミコン世代はその善し悪しをユーザーとして遊びを通じてネイティブに身につけているので、改めて研究しなおす必要もありません。
アナログスティックや傾きセンサなどによる入力も場合によっては便利ですが、
実用的なシンプルさに特化していくと十字キー+メイン2ボタン+サブ2ボタンのファミコン型という選択肢がアリだということを、競技への参加を通じて伝えていければと思います。
なぜファミコンなのか聞かれて短く答える場合には「子供の頃にこういうオモチャが欲しいと思っていたから」と答えていまして、それももちろんウソではないのですが、上記のような合理性や意義もあると思っています。
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どうやってファミコン型コントローラーのシンプルさと、二足歩行ロボットの多彩な動きのギャップを埋めるか。
デュアルショック系(十字キー+4シフト+4メイン+2サブ+2アナログスティック)のコントローラーを使い慣れた人から見ると、十字キー+2メイン+2サブのファミコンではボタンが足りないだろいうという風に見えます。
バトルならまだしも、レスキューのようにタスクが多い場合にはさらにボタンが足りないように見えます。
ゼムネスでは、モーションの再生後に自機が今どういう状態なのかのフラグを立てる方式にしています。
今回実際に使ったフラグは、
0:ノーマル状態
2:うつぶせ移動モード/あおむけ移動モード
8:しゃがみ移動モード
9:荷物運び移動モード
10:クレーンモード
の5フラグで、6種類の移動モーションを入れています。
それぞれ機体状態に応じて、十字キーで前後左右(旋回)が出来るようしてあるので、
機体状態が変わったからといって特別なボタン操作に切り替える必要がありません。
それぞれのモードには基本的にスタートボタンをシフトとしたコマンドで入ります。
この中で特殊なのは8のしゃがみモードと10のクレーンモードです。
しゃがみはバトル中も使うモーションなので、下+ABでしゃがみを発動します。
(とっさの時に出したい動作は、十字、A、Bのみで完結するようにしています。)
ABをホールドしたまま十字キーを入れ直すことでしゃがみ移動の前後左右旋回を行います。
クレーンモードは瓦礫撤去用のモーションで、これだけは例外的です。
AB同時押しでクレーンモードを発動した後は、
十字の上下で高さ調整、左右で両腕を開く&閉じる、Aボタンで瓦礫を左に捨てる(Bで右)となります。
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今回、ゼムネスにとっては新しい概念として「巻き戻し」という操作を導入してみました。
これは一連のモーションでタスクをこなす際、よきところでやり直しできるようにする機能です。
モーションの再生をムービーのように捉えたとすると、一時停止や巻き戻し、再生が自由にできるようにする感じです。
具体的には、
・人形を抱え込む際、抱きかかえに失敗していたら手を開いたり微妙に抱き直したりする。
(スタート+ABで抱きかかえ開始。ABホールド+上で抱きかかえ進む、+下で抱きかかえもどる。)
などです。クレーンモードでの閉じる開くも、モーションを進める、戻すの概念のひとつです。
とくに新しい概念というわけでもないのですが、ゼムネスにとっては初めての導入でした。
いままでは動作のキャンセルはあったのですが、動作をたどって戻るという機能は入れていませんでした。
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最後に、今回のレスキュー用ゼムネスの操作系をまとめてみます。
【基本移動】
十字↑:前進
十字↓:後退
十字→:右サイドステップ
十字←:左サイドステップ
十字右上:小右旋回
十字左上:小左旋回
十字右下:中右旋回
十字左下:中左旋回
AB+下:しゃがみ
セレクトちょい押し:自機が倒れていたらうつ伏せ/仰向け移動モードへ
セレクト長押し:起き上がり
セレクト+スタート:全サーボのオン/オフ
【基本アクション】
Aボタン:右がれき払い
Aボタン+下:右がれき払い下段
Bボタン:左がれき払い
Bボタン+下:左がれき払い下段
AB同時:クレーンモード発動
【クレーンモード中】
十字↑:腰の高さ上げ
十字↓:腰の高さ下げ
十字→:両手を閉じる(つかむ)
十字←:両手を開く(はなす)
Aボタン:つかんだものを右に捨てる
Bボタン:つかんだものを左に捨てる
セレクト:クレーンモード解除
【匍匐前進/仰向け移動モード】
十字↑:匍匐なら頭の方、仰向けなら足の方に進む
十字↓:匍匐なら足の方、仰向けなら頭の方に進む
十字→:右平行移動
十字←:左平行移動
セレクト長押し:起き上がり
※うつぶせ/仰向けは加速度センサで自動判断
【しゃがみ移動モード】
ABホールド:しゃがみ状態キープ
AB+十字↑:前進
AB+十字↓:後退
AB+十字→:右サイドステップ
AB+十字←:左サイドステップ
AB+十字右上(右下):しゃがみ右旋回
AB+十字左上(左下):しゃがみ左旋回
ABリリース:立ち上がる
【特殊アクション】
START+下ちょい押し:礼
START+下なが押し:匍匐前進へ
START+上:段差越え用バク転
START+AB:抱きかかえモーションへ
【抱きかかえモーション中】
AB+十字↑:抱きかかえモーション進む
AB+十字↓:抱きかかえモーション戻る
(抱きかかえモーション終了で抱きかかえ移動モードへ)
【抱きかかえ移動モード】
十字→:右サイドステップ
十字←:左サイドステップ
十字右上:小右旋回
十字左上:小左旋回
十字右下:中右旋回
十字左下:中左旋回
セレクト:抱きかかえモード解除
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次回以降で、出場記をメモしていこうと思います。
操作がシンプル=思い通りに動かせる=ミスしにくい=楽しい
これらの要素は一体になっていて、同時に達成されるものだと思います。
操作のシンプルさは、ゲームや玩具では「思い通りに動かせる」ことにつながり、それがカタルシス感や面白さに直結します。
(ゲームやラジコンのように自分の身体と切り離された遠方のモノを思い通りに動かせるのがなぜ楽しいかと言えば、身体が拡張される特別な感覚を脳が本能的に感じているからだと個人的には思っています。)
一方、人命に関わるような医療ロボットやレスキューロボットでは、操作のシンプルさは「ミスしにくい」というメリットとして現れます。それがシリアスな要素であることは周知の通りです。
もし操作が複雑であれば、ミスを起こしやすくなるだけでなく、それだけ操作の熟練が必要になり、操作する人に負担がかかることにもなります。
道具の操作を複雑にすることは、社会的なコストを増大させることにつながります。
▼
ではなぜファミコン型のコントローラーなのか。
第一に、ファミコン世代〜現代のプレステ/DS世代に至るまで慣れ親しまれている点です。
だれもが操作免許をはじめから持っているようなもので、練習がほとんど必要ありません。
第二に、他のインターフェースに比べて、遠方のものを直感的に操作するのに向いている点です。
キーボードやタッチパネル、マウスなども使いやすいですが、十字キーほどではありません。
第三に、ノイズが少ない点です。
「ボタンを押した」「ボタンを押してない」という物理的でデジタルな判定方式は、ノイズを排除できる分、操作者の意思を正確に伝えることが出来ます。
押した長さで若干のアナログ的な要素を加味することもできます。
第四に、ボタンが少ない点です。
ボタンが少ないことのメリットは2つあり、
操作を覚える量が少なくて済み、なおかつとっさのときにまごつかずにボタンを押すことができます。
省ボタンにコマンドを詰め込むには工夫が必要ですが、パズル的な楽しさもあります。(この点はちょっとマニアックです。)
第五に、具体例の充実さです。
ファミコンには1000タイトル以上のソフトが発売され、あらゆるタイプのコントローラーの使用方法が商用ベースで研究され尽くされています。しかもファミコン世代はその善し悪しをユーザーとして遊びを通じてネイティブに身につけているので、改めて研究しなおす必要もありません。
アナログスティックや傾きセンサなどによる入力も場合によっては便利ですが、
実用的なシンプルさに特化していくと十字キー+メイン2ボタン+サブ2ボタンのファミコン型という選択肢がアリだということを、競技への参加を通じて伝えていければと思います。
なぜファミコンなのか聞かれて短く答える場合には「子供の頃にこういうオモチャが欲しいと思っていたから」と答えていまして、それももちろんウソではないのですが、上記のような合理性や意義もあると思っています。
▼
どうやってファミコン型コントローラーのシンプルさと、二足歩行ロボットの多彩な動きのギャップを埋めるか。
デュアルショック系(十字キー+4シフト+4メイン+2サブ+2アナログスティック)のコントローラーを使い慣れた人から見ると、十字キー+2メイン+2サブのファミコンではボタンが足りないだろいうという風に見えます。
バトルならまだしも、レスキューのようにタスクが多い場合にはさらにボタンが足りないように見えます。
ゼムネスでは、モーションの再生後に自機が今どういう状態なのかのフラグを立てる方式にしています。
今回実際に使ったフラグは、
0:ノーマル状態
2:うつぶせ移動モード/あおむけ移動モード
8:しゃがみ移動モード
9:荷物運び移動モード
10:クレーンモード
の5フラグで、6種類の移動モーションを入れています。
それぞれ機体状態に応じて、十字キーで前後左右(旋回)が出来るようしてあるので、
機体状態が変わったからといって特別なボタン操作に切り替える必要がありません。
それぞれのモードには基本的にスタートボタンをシフトとしたコマンドで入ります。
この中で特殊なのは8のしゃがみモードと10のクレーンモードです。
しゃがみはバトル中も使うモーションなので、下+ABでしゃがみを発動します。
(とっさの時に出したい動作は、十字、A、Bのみで完結するようにしています。)
ABをホールドしたまま十字キーを入れ直すことでしゃがみ移動の前後左右旋回を行います。
クレーンモードは瓦礫撤去用のモーションで、これだけは例外的です。
AB同時押しでクレーンモードを発動した後は、
十字の上下で高さ調整、左右で両腕を開く&閉じる、Aボタンで瓦礫を左に捨てる(Bで右)となります。
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今回、ゼムネスにとっては新しい概念として「巻き戻し」という操作を導入してみました。
これは一連のモーションでタスクをこなす際、よきところでやり直しできるようにする機能です。
モーションの再生をムービーのように捉えたとすると、一時停止や巻き戻し、再生が自由にできるようにする感じです。
具体的には、
・人形を抱え込む際、抱きかかえに失敗していたら手を開いたり微妙に抱き直したりする。
(スタート+ABで抱きかかえ開始。ABホールド+上で抱きかかえ進む、+下で抱きかかえもどる。)
などです。クレーンモードでの閉じる開くも、モーションを進める、戻すの概念のひとつです。
とくに新しい概念というわけでもないのですが、ゼムネスにとっては初めての導入でした。
いままでは動作のキャンセルはあったのですが、動作をたどって戻るという機能は入れていませんでした。
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最後に、今回のレスキュー用ゼムネスの操作系をまとめてみます。
【基本移動】
十字↑:前進
十字↓:後退
十字→:右サイドステップ
十字←:左サイドステップ
十字右上:小右旋回
十字左上:小左旋回
十字右下:中右旋回
十字左下:中左旋回
AB+下:しゃがみ
セレクトちょい押し:自機が倒れていたらうつ伏せ/仰向け移動モードへ
セレクト長押し:起き上がり
セレクト+スタート:全サーボのオン/オフ
【基本アクション】
Aボタン:右がれき払い
Aボタン+下:右がれき払い下段
Bボタン:左がれき払い
Bボタン+下:左がれき払い下段
AB同時:クレーンモード発動
【クレーンモード中】
十字↑:腰の高さ上げ
十字↓:腰の高さ下げ
十字→:両手を閉じる(つかむ)
十字←:両手を開く(はなす)
Aボタン:つかんだものを右に捨てる
Bボタン:つかんだものを左に捨てる
セレクト:クレーンモード解除
【匍匐前進/仰向け移動モード】
十字↑:匍匐なら頭の方、仰向けなら足の方に進む
十字↓:匍匐なら足の方、仰向けなら頭の方に進む
十字→:右平行移動
十字←:左平行移動
セレクト長押し:起き上がり
※うつぶせ/仰向けは加速度センサで自動判断
【しゃがみ移動モード】
ABホールド:しゃがみ状態キープ
AB+十字↑:前進
AB+十字↓:後退
AB+十字→:右サイドステップ
AB+十字←:左サイドステップ
AB+十字右上(右下):しゃがみ右旋回
AB+十字左上(左下):しゃがみ左旋回
ABリリース:立ち上がる
【特殊アクション】
START+下ちょい押し:礼
START+下なが押し:匍匐前進へ
START+上:段差越え用バク転
START+AB:抱きかかえモーションへ
【抱きかかえモーション中】
AB+十字↑:抱きかかえモーション進む
AB+十字↓:抱きかかえモーション戻る
(抱きかかえモーション終了で抱きかかえ移動モードへ)
【抱きかかえ移動モード】
十字→:右サイドステップ
十字←:左サイドステップ
十字右上:小右旋回
十字左上:小左旋回
十字右下:中右旋回
十字左下:中左旋回
セレクト:抱きかかえモード解除
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次回以降で、出場記をメモしていこうと思います。
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